ファイマンの冗談

アマゾンの奥地へと向かったら意外と居心地が良くて住み着いてしまった探検隊

ホロヴィッツとルドルフ・ゼルキンが仲良しだった話

一見対極なコンビに限って仲がいい、といった話です

How dare you talk like that? He’s the greatest pianist in the world!

 

「20世紀の大ピアニスト、ホロヴィッツゼルキンが仲良しだった」と知ったとき、計らずも「え、あの2人が!?」と驚愕しました。2人とも大好きなピアニストなのですが、正直気が会うコンビとはとても思えなかったのです。

 

まずゼルキンは「ドイツ音楽の最右翼」と称され、そのスタイルは実直そのもの。有名なのはセルとのブラームス ピアノ協奏曲1番や、アバドとの モーツァルト ピアノ協奏曲集などがあります。

オーマンディとのモーツァルト21番の演奏動画です。

www.youtube.com

ゴツゴツした太い指で弾きながら体を前後させ、全身全霊を演奏に傾けているのが印象的です。性格は温厚篤実で、晩年のにこやかな表情も写真から伺えます。

ja.wikipedia.org

 

 

続いてホロヴィッツクララ・ハスキルをして「ピアノの前の彼は悪魔のようだ」といわしめるヴィトルオーゾ。協奏曲ではチャイコフスキー ピアノ協奏曲1番、ラフマニノフ ピアノ協奏曲3番が有名です。その演奏で聴衆を熱狂させ、悪魔的、鬼神の如きといった形容がピッタリきます。

 



皆から愛されたピアニストですが、なかなかに神経質で気分屋だったそう。またメンタルの浮き沈みが激しく、1953~1965年の12年間家に篭っていたこともあります。

その性格から、同業のルービンシュタインとは色々あって長い間絶縁関係にありました。

復帰後はTVリサイタルなども行っているため、演奏動画は比較的多いです。十八番であるスクリャービンエチュードは”鬼神”であることを納得させられます。

youtu.be

www.eugeneistomin.com

 

 

前置きが長くなりましたが、この2人が実は仲良しで互いに尊敬し合う関係だったのです。

1930年代、キャリア全盛期でホロヴィッツが休養したときも、ゼルキンは毎日のように家を訪れて一緒に”ハンマークラヴィーア”などを弾いたといいます。

 

印象的なエピソードがあります。

音楽院の教え子の2人を夕食に招待した日のこと。生徒がホロヴィッツの録音を持ってきて

It’s a real disaster – it’s Horowitz playing, and there are a million wrong notes!

(ひどいもんだ。ホロヴィッツの演奏だけど、間違いだらけだね。)

とこぼしました。きっとホロヴィッツの愚痴で盛り上がると思ったのでしょう。

しかし、これにゼルキンは激怒します

How dare you talk like that? He’s the greatest pianist in the world!

(なんでそんなことを言うんだ!彼は世界一のピアニストじゃないか!)

※訳が間違っていたらすみません

 

ホロヴィッツも「自分でなかったらゼルキンになりたい」というコメントを残しています。

 

 

2人は同い年で、共通項も多かったのだそう。若かりし頃のホロヴィッツゼルキンが並んで一緒にピアノをを弾いているところを見てみたかったな、と心から思います。

 

 

"3300円の3回払い" アーノルドはナイフ販売界のレジェンドだった

 

feynman.hatenablog.jp

 

アーノルドのファンになる

前回紹介した通販番組のアーノルドおじさん。

何回か見ているうちに、個人的にアーノルドのファンになってしまいました。

 

まずこの屈託のない笑顔はどうでしょう。冒頭でロンが「彼(アーノルド)が僕のナイフを紹介したがっているんだ」と言いアーノルドにバトンを渡します。そのときの表情といったら、本当にナイフの良さを伝えたくてたまらないのだろうと客に思わせる無害さ、愛嬌があります。

そして実演がはじまると、マジックショーのように観客を魅了していきます。役者経験はあるようですが、それにしてもそのテクニックは只者ではありません。

驚くべき点として、アーノルドの実演はすべてリアルタイムです(後半のロンは事前収録した映像が多い)。軽妙なトークで観客の笑いをとりながらパイナップル、アルミ缶、さらには金槌まで様々なものをスパスパと切っていきます。(初めて使うナイフにしては妙に手慣れていますが)。

一番感動したのはトマトスライス一瞬にして段々にずらしたシーン。話術だけでなく実際の道具の使い方も見事なのがアーノルドの魅力といえます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=72ZZ42Irxng

3300円の3回払い」の強烈さ、”無限の剣製”と揶揄されるナイフの数々のおかげでアーノルドもネタ化されていますが、彼の実演テクニックは達人級だと思われます。

 

 

衝撃の事実

実はアーノルド、アメリカで「実演販売界の大御所」ともいえるレジェンドだったのです。彼がどのように実演販売の道を歩んできたのか、まとめます。

 

アーノルド・モリスは1929年ロサンゼルス生まれ。役者として苦しい生活を送る中、彼の名前を全米で一躍有名にしたのは"ギンスナイフ "(Ginsu knife)というナイフの宣伝。

en.wikipedia.org

www.youtube.com

※CMは明らかに日本っぽい雰囲気ですが、アメリカのナイフメーカー。名前も日本っぽいというだけで特に意味はないそう。

 

 上のCMに直接アーノルドは写っていませんが、缶を切ったりトマトをスライスしているところなど共通点が沢山あります。このギンスナイフの実演販売でアーノルドは大活躍。ただ人を楽しませるだけでなく、客の購買意欲を駆り立てるビジネスマンとしての素質も持っていたアーノルドは、一躍実演販売の顔となりました。

 

 そんなアーノルド、TVではどこか憎めないお茶目な姿を見せていますが、普段はおとなしい性格で誰よりも商品に熱心だったそう。

 

 2013年に84歳でその生涯を閉じたアーノルドですが、ナイフ販売界に多大な貢献をしたことからまたの名をザ・ナイフ

 

アーノルド・ザ・ナイフ

 

 

参考文献

 

 

「3300円の3回払い」あのシェフの正体を調べる

3300円の、3回払い

まずはこの動画を御覧ください

www.nicovideo.jp

 

そのダイナミックな商品紹介、次々に出てくるナイフの数々から「海外版QVC」と囁かれるShow tyme knife

 

 

 

※先ほどの番組は英語版も公開されているので日米版を比較しながら見ることができます。(アメリカでも3回払いは変わらないようです。アーノルドの吹き替え全く違和感がない。)

○オリジナル版↓

www.youtube.com

 

開発者ロン

この開発者のロン、なんと英語版Wikipediaに記事がありました。

en.wikipedia.org

 

意外にもロンは有名人らしく、ナイフ以外にも怪しげな?商品を大量に発明した人物だそうです。

 

 

2021年に86歳で逝去したが、その際にもあのCNNが追悼記事を出しています。お茶の間の顔的な存在だったのでしょうか。

 

 

ツッコミどころ満載な通販番組ですが、一番気になるのは

「アーノルドおじさんって誰?」

 

「ああ、ぼくのトマトが可哀想に」気さくでウィットに富んだ話しぶりに、明らかに素人ではない華麗な手さばき。専門に雇ったシェフではないか?本当にロンの親戚か?と疑問がわきます。

 

謎の多いアーノルドさん

ロンのWikipediaを見てもアーノルドらしい人物は載っていません。ネットで"Ron Popeil cousin"と調べても、全米から寄せられた「アーノルドって誰?本当に従兄弟か?」のようなコメントばかり。

 

 

ファミリーネームが同じであることを祈って"Arnold Popeil"と検索しても、ヒットしません。そんな中、ある新聞記事に答えが載っていました

アーノルドの正体

 

The New Yorker

2000年10月のニューヨーカー誌。ロンが自分の発明の歴史について語っているようです。その中で、Popail家のメンバーについて説明があります。

曰く、「ロン、父のSJ、そして共同開発者で番組仲間のアーノルド・モリス」

 

アーノルド、発見しました。一応同姓同名の場合もあるので、確認

https://www.imdb.com/name/nm0606366/mediaviewer/rm1856740608/?ref_=nm_ov_ph

 

間違いないでしょう。コック帽をかぶったアーノルドおじさんそのものです。また、ロンの曽祖父にあたる人物はKidder Morrisなので、アーノルドさんのファミリーネームとも合致します。

 

ロンと共に開発に携わっただけでなく、俳優としても活躍していたそう。どうりでナイフの紹介が上手いわけです。

 

 

伝説のウィキペディアン「ワタナベさん」の謎

 

 

以前から、Wikipediaに出てくる「ワタナベさん」という人物が気になっていた。きっかけは、この記事の中の画像。

ja.wikipedia.org

 

文中には

キャラクターの立ち絵と背景、そこにセリフを記したテキストボックスを組み合わせたスタイルのゲーム全般 ビジュアルノベル - Wikipedia

と書かれている。しかし、「ビジュアルノベルとは絵の上に文字を載せたゲーム」と文字で説明してもわかりにくい。そこで載せられているのは、一見普通のゲーム画面らしい画像だ。

 

 

真ん中のキャラクターは「ウィキペたん」という非公式キャラクターで、黒板の前で何かを話している。画像下のセリフが気になったので訳してみた。

 

Wikipediaでフリー画像を使うために、ワタナベさんが自分でビジュアルノベルを作っているみたいなの!こういう人がインターネットを生かしていると思わない?

 

唐突のワタナベさんが登場する。記事に画像を載せたいがあまり、自分でゲームを作ってしまったそうなのだ。

ちなみに、この画像の凄い点として、世界中のWikipediaの合計155記事で使用されている。

 

 

 

ここで元編集者魂がうずく。ワタナベさんとは何なのか。1つ1つ調べていくことにした。

 

①誰が画像をアップしたのか

 元のデータを辿ると、Keroseneというユーザーがアップロードし、説明文の中には製作者はPytomという編集者だと書かれている。曰く、「背景はすでに上がっている画像を利用し、自分で Ren'Pyというソフトを使ってビジュアルノベルを作成した」そう。

 

このPytomさんのユーザー記録を見てみることにした

I'm the creator of the Ren'Py Visual Novel Engine, which was used to make the Image:Wikipe-tan visual novel (Ren'Py).png

私は ビジュアルノベルエンジンRen'Py の開発者で、Image:Wikipe-tan visual novel (Ren'Py).png を作りました。」

なんとこの方、ソフト自体の開発者だというのだ。

確かに、Ren'Pyの開発者はTom "PyTom" Rothamel という名前で、Pytomはニックネームのようだ。

 

しかし、なぜWikipediaに載せるためのオリジナル画像を作ってしまったのだろうか。

本家である英語版Wikipediaから、当時の記録を探してみた

Talk:Visual novel - Wikipedia

 

②画像の著作権問題

ビジュアルノベルとはこのようななもの」と文章ですべて解説するのは難しく、実際のゲームの画像を出すのが一番わかりやすい。

しかし、Wikipediaの画像は皆が自由に使えることが原則のため、商用画像や著作権問題をクリアしていない画像は削除されてしまう。

実際のゲームの画像を出す訳にはいかない。それらしいものを作ってみたがどうも上手くいかない。

誰かオリジナルのビジュアルノベルを作ってくれれば……

 

③救世主 Pytom

2006年9月14日、新たなユーザがコメントした

I took the liberty of taking the Wikipe-tan image and an image of a classroom I found in the Wikimedia commons, plugging them into Ren'Py, and producing the image you see to the right. While it is in English, it does have the advantage that the drop-shadowing is similar to what you see in real games, rather then the odd blurring used in the current shot.

Wikimediaコモンズで手に入れたウィキペたんと教室の画像をRenPyソフトに入れて、右のような画像を作ったよ。英語だけど、前の画像に比べて実際のゲームで目にするものに近くなっていると思う。

 

I think a screenshot from a real game would probably be the best thing, but hopefully this screenshot is better than an image made in photoshop. I can fairly easily change the text to whatever is wanted.

実際のゲームの画像が一番だと思うけれど、フォトショップで作った画像よりはこっちのほうが良いかと思う。 文章は簡単に変えられるよ。

 PyTom 21:30, 14 September 2006 (UTC)

 

作ってしまった

 

 

 

誰もやるはずがないと思っていた「オリジナル画像の制作」を、実際にやってしまったのだ。Pytomは次に、ウィキペたんのセリフをどうするか問いかけた。

It's easy to make those changes, but I don't know what she should say. Any suggestions? PyTom 00:38, 15 September 2006

ーPytom 「セリフを変えるのは簡単だけれど、なんと言わせたら良いのかわからない。なにかアイデアある?」

 

"I heard Watanabe-san was going to make his own visual novel so that we would have some free images to use on Wikipedia! That's the kind of guy who keeps the Internet alive, don't you think?" Ashibaka tock 15:25, 18 September 2006 (UTC)

ーAshibaka tock 「ワタナベさんがWikipediaのフリー画像のために自分でビジュアルノベルを作ったんだって!こういう人がインターネットを生かしていると思わない?」

 

Okay, I took a screenshot with your suggested text. (I still don't get who Wantanabe-san is.) PyTom 21:21, 18 September 2006 (UTC)

ーPytom 「いいよ、その通りに画面を作ってみた(でもワタナベさんがだれなのかよく分からないな)」


It means "Mr. Smith". Ashibaka tock 15:06, 19 September 2006 (UTC)

ーAshibaka tock 「Mr. Smith のことだよ」

 

ja.wikipedia.org

 

英語で「ジョン・スミス」とは、「山田太郎」のようにありふれた一般名だという。

つまり、ワタナベさんは実在の人物ではなく、あくまでもPytomを指した仮の名前だと思われる。実際のユーザーの名前を出すと宣伝になる可能性があり、あくまでも一般名としてワタナベさんという名前を使ったのだろうか。

 

ワタナベさん自体は架空の名前だが、ビジュアルノベルを作った人物は実在した

 

Tom Rothamel renpytom(from GitHub

 彼が、フリー画像のために自分でノベルを作った人物、Pytom。

魔法省「魔法族の声」とは

「やけに凝っている」HP

数年前に出現した魔法省ホームページ。一瞥して架空の機関であることは明らかだが、このホームページの恐ろしいところとは、異様に設定が”ちゃんとしている”ことだ。

例えば、官邸の「魔法大臣の動き」というページを見てみる

mfmor.jimdofree.com

朝比奈魔法大臣のスケジュールが数日単位で更新されており、しかも驚くべきことに、記載がほとんど被っていない。

これ以外にも、定期的に人事異動を更新していたり、議事録があったりと、芸の細かさが尋常ではない。

その中でも気に入っているのが、「魔法族の声」というページだ。

momjp.jimdofree.com

この中の「ご意見・ご要望・苦情」欄では、日本全国に潜入?しているであろう一般の魔法族の悲痛な叫びを読むことができる。この投書欄は2022年くらいから洗練されてきており、最近のコメントを読んでいるだけで小一時間は時間が潰せる。

いくつか抜粋した

一般魔法学校学生(薬学方面) (火曜日, 08 11月 2022 18:59)

奨学金についてご相談したのですが問い合わせ先がわかりにくかったので、できればもう少し目につくところにURL等を貼っておくか学生へ使い魔等を使った何らかの定期的なお知らせを配ってほしいです。
(ご対応頂いた方はとても親切でした。ありがとうございました。)

人狼 (土曜日, 15 10月 2022 23:48)

 

満月の夜なのに家に帰れない人狼が沢山います。
「見なければ大丈夫なんでしょ?笑」と言われて残業をさせられたり、早退させて貰えません。
働き盛りの人狼や共働き家庭の人狼の為に、もっと人狼族への社会的な支援をよろしくお願いします。

ヒキガエル (金曜日, 28 10月 2022 20:59)

 

朝、魔法省の役人らしき方が箒で低空飛行されていて、ぶつかってしまい、とても迷惑でした。その際にペットのヒキガエルが脱走してしまい、非常に無念です。しかもその方は私に目もくれず、謝らずに魔法省の建物に入っていきました。
魔法界の最高機関たる魔法省がそのような残念なふるまいで良いのでしょうか。謝罪はいらないですが、その方にヒキガエルの捜索を手伝ってもらいたいと思っています

その辺の魔女 (木曜日, 05 1月 2023 21:29)

 

近畿上空に龍が飛んでいました。
咄嗟に魔法をかけ、非魔法族に見えない様にしましたがどういうことですかご説明頂きたいです。

 

ところどころに妙なリアリティがあるのが憎めない。

 

ちなみに、官邸・裁判所・議会のサイトが独立してあり、ちゃんと三権分立している。

実体験してわかった、Wikipedia編集の難しさ

ja.wikipedia.org

言わずとしれた人類の叡智の結晶、Wikipedia

一時期編集をトライしたことがあるのですが、身に沁みてわかったことがあります。

 

ウィキペディアンになるのはめちゃくちゃ大変

 

今回は、「なぜウィキペディアンになるのが大変なのか」、実体験を交えて説明したいと思います

 

~第一章~ Wikipedia記事の厳しいルール

Wikipediaの大原則

非核三原則ならぬ、Wikipedia記事における3原則というものがあります。

・「中立的な観点」

・「独自研究は載せない」

・「検証可能性」

この原則はすべてのユーザーにとっての金科玉条のようなもので、ルールに乗っ取らない記事にはすぐに「不適切な記事」の警告がつきます。

ja.wikipedia.org

 

ざっくりというと、「あなたの意見はいりません」ということになります。

例えば、”リンゴ”についての記事を書く場合、リンゴが美味しいかどうかは関係ないのです。また、「リンゴは美味しい」と書いた場合、あまりにも表現が曖昧です。

「いつ収穫したリンゴの、どの部分を、どのように加工し、栄養価はどうである」

のように5W1Hを駆使してツッコまれないような記載が必要なのです。

 

めんどくさいですよね

 

実際にかなりめんどくさいのです……(これもWikipediaならツッコミが入ります)。ではどうやって書けば良いのか?参考としてザクロ(良質な記事認定)の記事の一部を見てみます 

ザクロ - Wikipedia

 

 

食材としての旬の時期は9 - 11月ごろで、果実の皮の赤色が濃くて割れていないものが市場価値のある良品とされる[16]。可食部は果実の中にある赤い粒(種子)の多汁な外種皮で覆っている種衣の部分で、生食される[16][22]。日本では米国カリフォルニア産の輸入品が多い[16]。生で食べるだけでなく加工にも適しており、果汁をジュースとしたり清涼飲料水のグレナディンの原料とするほか、以下のような料理などに用いられる

(中略)

ザクロの可食部に含まれる栄養素は右表のとおり。栄養成分は、カリウムが比較的多く含まれるほか、抗酸化作用があるアントシアニンなどのポリフェノール類が含まれていて、肌を美しく保ったり生活習慣病予防によいといわれている[16]。

また、煮詰めた果汁はイランなどで調味料として使用される[32]。

 

ーこれは本当に素晴らしい記事で、ザクロを全く知らない人でも、なんとなくザクロがどんな果物かイメージできます。※勿論私が書いたわけじゃないです。

決して「美味しい」「食べやすい」といった表現を使わず、読み手に「きっとザクロは美味しいんだろうな」と思わせる、これが尋常じゃなく難しいのです。

Wikipediaの記事を書くのが案外難しいことが分かっていただけたでしょうか?

 

 

 

 

 

次に、「それでは良い記事とはなんなのか」紹介します

 

続きを読む

オッチャホイの謎

 

想像上のオッチャホイ

 

 「新潟にあるオッチャホイって知っているか?」

同僚から送られたメッセージに思わず二度見をする。

最近Wikipediaの「ミシャグジ」の記事が大幅にアップデートされていたばかりだったので、思わず「新潟の土着神か?」と色めき立つ。ミシャグジ - Wikipedia

 

恐る恐る検索してみる

 

 

 

 

Wikipedia:オッチャホイ

さらに検索していくと

 

niigata-kankou.or.jp

dailyportalz.jp

普通に観光ガイドに載っている。そうなの?新潟だとそんなにポピュラーなの?

 

 

……どうやら新発田市シンガポールという食堂にしかないメニューらしい。メニューには「皿オッチャホイ」「汁オッチャホイ」。まだオッチャホイにの神聖なイメージが抜けていないので「皿×オッチャホイ」「汁×オッチャホイ」というワードの組み合わせのコンボに思わず苦笑い。

 

しかし、流石はWikipedia。読み進めるとこんなふうに書いてあった。

 

「オッチャホイ」はシンガポールの庶民的な料理であるとして広まっているが、シンガポールでも隣国のマレーシアでも、現在は「オッチャホイ」という料理は存在せず、「オッチャホイ」という名前がどこから生まれてきたのかは不明になっている。シンガポール食堂の創業者は父が名付けたと聞いてはいたが由来を知らず、名前の由来を聞かれるたびに「オレだって分からね」と答えていた。

オッチャホイ - Wikipedia

 

オッチャホイが何を意味するのか、誰もわからないのだそう。

オッチャホイ様、恐るべし。

謎が謎を呼ぶオッチャホイ。是非一度行ってみたい。